10年で売上3倍「ジャパンマテリアル」の積み上げ型ビジネスモデル
こんにちはヒロスケです。ジャパンマテリアルという企業を聞いたことはありますか?
企業名からは地味そうな印象を受けますが、実は過去に株価10倍を達成した『テンバガー』銘柄なのです。
一体どのようにしてテンバガーを達成するに至ったのか?今日はその秘密に迫りたいと思います!
工場全体の稼働・維持を一括サポート
さて、まずは気になる事業内容ですが、ジャパンマテリアルは半導体・液晶工場の稼働・維持管理を一括するサポートを行う企業です。
すごさがよくわかりませんね。ということで下の図を見てみましょう。ご覧のように半導体・液晶工場には水(超純水)や薬品やガスなどを供給する設備機器が存在します。
通常、これらの設備機器を運転管理するには専門の技術者のサポートが必要になります。外部に委託するとなると、ガスはガス専門の企業、薬品は薬品専門の企業、とそれぞれ個別に専門企業に依頼しなければならず大変ですよね。。
しかし、ジャパンマテリアルであれば工場における多様な設備機器をすべてワンストップで管理することができるのです!
このように工場の運転を総合的に管理することをTFM(トータルファシリティマネジメント)と呼び、世界ではスタンダードとなっているようです。
積み上げ型のビジネスモデル
さて、工場の運転管理を行うという点で何か気づくことはないでしょうか?運転管理は工場が稼働している限り行う必要がありますよね?
そう、ジャパンマテリアルは売上がストックされていく積上げ型のビジネスモデルなのです。運転管理を行う工場の数が増えれば増えるほど固定で入ってくるストック売上が増えていきます。
といっても、100%がストック性の売上ではなく、2020年度時点で60%程度です。残りの40%は何か?それは特殊ガス供給装置の製造と供給配管の設計施工です。
工場が新規に建設される際に導入する特殊ガス供給装置の製造、さらにはガスを供給する配管の設計施工を行い、まずはイニシャルで費用をもらい、その後は工場全体の管理業務をストックでもらっているのです。
右肩上がりの業績と高い営業利益率
さて、ジャパンマテリアルの気になる業績ですが、ご覧のように右肩上がりの成長を続けております。2011年には100億満たない売上がたった10年で300億を超えています。
。。。圧巻!!
特筆すべきはただ売上が上がっているだけではなく、利益率も高まっていることです。この理由として考えられるのはTFM業務の受注が増えたことにより、売上全体におけるストック割合が高まったからでしょう。
一方で2020年が前年比で売上が減少しているのは、ガス供給装置の製造と配管の設計施工の売上が減少したためです。ストック売上はこの時期もしっかりと伸びています。
まとめ
一般的に半導体分野の企業は景気に敏感な性質がありますが、ジャパンマテリアルは工場の管理を行うビジネスモデルであるという性質上、比較的景気に関わらず安定期な事業運営を行うことができます。
今後の成長にも期待したいです。