マニュアル×テクノロジーで急成長中の「グレイステクノロジー」テンバガーも達成!
こんにちはヒロスケです。テンバガー達成銘柄を調べていく中で、BtoBのマニュアル作成・管理を専門とする「グレイステクノロジー」という企業を最近見つけました。
マニュアルの作成と聞くと手間のかかりそうなアナログ作業が多いのかなとイメージしますが、実はこの企業、超高収益の優良企業なのです。その秘密とは何か?
特定業界のBtoB製品マニュアルを制作
グレイステクノロジーはマニュアル制作・管理のコンサルティングを行う企業ですが、まず何の「マニュアル」を制作しているかを説明しなければいけませんね。
身近な例でいくと、家電についてくる説明書なんかがイメージしやすいでしょうか。ただし、グレイステクノロジーでは家電等の一般消費者向け製品のマニュアル制作は行っておりません。グレイステクノロジーが制作するのはより専門的なBtoB製品のマニュアル制作です。
特に、自動車・工作機械・重工業・鉄道業界等に絞って取引を行っています。
実はこの取引を絞っているのもグレイステクノロジー高収益のポイントです。要は、収益性が高いマニュアル制作案件が多い業界に絞って取引を行っているのです。驚くべきことに、2012年から2017年の間でグレイステクノロジーの取引先社数は半減している一方で、一社あたりの売上は3倍以上になっています。
儲からない案件はやらない、という効率的な企業運営が垣間見られますね。
高付加価値業務に集中し、労働集約型マニュアル制作から脱却
そうはいっても、実は近年のマニュアルの分量は1980年代と比較して20倍以上に膨らんでおり、グローバル化が進むことで多言語での翻訳も必要となります。30-50種の言語でマニュアルを作成しなければいけないこともあるとか。。
つまり、マニュアル制作は労働集約性の高い業務なのです。
しかし、グレイステクノロジーはあえて原稿制作・翻訳部分といった最も労働集約性の高い業務を自社では行わず外注することで、社内リソースを「企画構成・分析・コンサルティング」といった高付加価値業務にリソースを集中させるようにしているのです。
そのことで高収益体質を作り上げているのです。
マニュアルのクラウド管理ソフトでストック売上を積み上げる
もう一つ注目したいのが、グレイステクノロジーが提供しているマニュアルのクラウド管理ソフト「e-manual」です。
制作されたマニュアルをクラウドで管理するソフトですが、単なるデータ保管庫ではなく、マニュアル内容の改訂もクラウド上で行うことができたりなど、マニュアルに特化した機能がたくさん搭載されております。
グレイステクノロジーでは戦略的にこのクラウド管理ソフトの導入を推し進めていった結果、ストック売上を年々積上げていくことに成功し、さらなる高収益体質へと向かっていけたのです。
さらなる進化。マニュアルはAIの時代に。
グレイステクノロジーはAIを活用することで、マニュアルをさらに進化させようとしています。
AIが搭載されているウェアラブルメガネが現場で適切な作業手順をガイドしてくれる、、、といった映画の世界のようなデバイスも開発しています。
まとめ
ちなみに今更ですが、グレイステクノロジーがどれくらい高収益なのかというと、2020年度の決算で営業利益率50%超えを叩き出すほどの高収益体質です。
企業のマニュアル制作業務を楽にさせるためのノウハウ、そしてソフトを提供することができ、さらにはAIメガネ等の新製品の開発にも取り組んでおり、マニュアルという領域において強いプライドを持っていることが窺えます。
コーポレートサイトを見ても社長の動画があらゆるところに掲載されており、いかに自社のサービスが優れているかを熱弁しています。
テンバガー達成!中古車販売の「ネクステージ」が急成長
こんにちはヒロスケです。株価10倍を達成する銘柄というと、時代の先端を走るIT系企業を想像する方が多いと思いますが、案外身近にある地味な業界にもあるものですよ。
中古車を全国で販売する「ネクステージ」もそんな企業のうちの一つ。
2台の在庫から急拡大
ネクステージは1996年にたった2台の中古車の販売から事業をスタートした企業。そこから20年ほどで2,000億円を超える売上に達しているのだからすごい。
元々中古販売業界は地域に根ざしたビジネスであり、業者は店舗がある地域の消費者から買取を行い、また店舗周辺の地域の消費者に販売を行っていたものである。つまり、買取と販売の両方を地域に住んでいる消費者を依存していたのです。
しかし、中古車オークションが発展したことにより、中古車の買取(仕入れ)を店舗を置く地域のお客さんから行う必要がなくなったことで、地域に縛られない店舗展開を行うことができるようになったという経緯があります。ネクステージはこの時代の変化に乗って店舗を全国展開していったと言えます。
「生涯取引」の獲得を目指し、サービス領域の拡大
BtoBの中古車オークションの発展が中古車販売の地域的制約を解放した一方で、車両査定の標準化も進められました。そこにインターネットの普及も重なり、今まで不透明だった中古車の価格形成に関して消費者は容易に情報を取得できるようになり、業者と消費者の間に存在していた情報非対称性がなくなっていきました。こうなると、市場は価格競争に陥りやすくなります。さて、そのような中でネクステージはどのように競争優位を保ったのか?
それは、提供サービス領域の拡大です。
顧客が中古車を購入してから次に車を買い換えるまでにそれなりの期間を要します。一方で車を購入してからも、車に関わる困りごとはいろいろありますよね。例えば車の整備ですとか、車検、タイヤの交換、保険への加入等。
こういったサービスをワンストップで提供できれば、顧客にとっても様々な困りごとを一箇所で解決できることになるし、ネクステージにとっても顧客一人あたりからの売上が多くなりますよね。
そこでネクステージは中古販売を専門に行う店舗から徐々に整備・点検・車検等様々なサービスをフルラインナップで提供する総合店へと業態転換をしていったのです。
しかもフルラインナップを提供する総合店を出店するには多額の初期投資が必要となるため、店舗の大型化自体が参入障壁にもなっていき、ネクステージの競合優位性が増していきます。
業績推移
2012年度には280億円ほどだった売上が2020年には2500億円に迫っています。まさに圧巻。営業利益率については決して高くはない一方で、在庫回転率を強く意識した経営をしており、ROA・ROEが高いのが特徴。つまり、資本を効率的に使えているということが言える。
また、2030年ビジョンとして売上1兆円を掲げており、まだまだ成長意欲が高い。
売上が1,000億規模を超えても売上成長35%程度をコンスタントに達成したこともあり、株価テンバガーも納得の結果。
株価10倍達成!!「東洋合成工業」の感光材トップクラスメーカーとしての力
こんにちはヒロスケです。日本には地味〜で古臭そうだが、実は隠れた優良企業がいくつもあるものです。私が最近見つけたのは「東洋合成工業」。
隠れた優良企業と言ってみたものの、株価が10倍になった俗に言う「テンバガー」企業なので投資をやってる人は知っている人も多いでしょうか。
フォトレジスト用感光材世界トップクラス
東洋合成工業は半導体や液晶のフォトレジスト用感光材料を製造する企業で、その分野においてはトップクラスです。
なるほどわかりません。
とりあえず「フォトレジスト」という、半導体や液晶を製造する工程で必要となるものの材料となる「感光材料」という材料を製造する企業みたいです。
しかし、半導体は今の生活においてあらゆる場面で使用されているのは言わずもがな。皆持っているスマートフォンを作るためにも半導体は必要。
我々の生活を支えてくれている企業ということができそうです。
業績推移
長期的に右肩上がりの売上推移ながら、途中で売上がへこむ年も見受けられます。メインの事業が半導体の製造工程で使用されるフォトレジスト用の感光材製造ということもあって、半導体需要に影響を受けることがその要因かと思います。
つまり、景気に業績が一定程度左右される性質があるといえるでしょう。
10年で売上3倍「ジャパンマテリアル」の積み上げ型ビジネスモデル
こんにちはヒロスケです。ジャパンマテリアルという企業を聞いたことはありますか?
企業名からは地味そうな印象を受けますが、実は過去に株価10倍を達成した『テンバガー』銘柄なのです。
一体どのようにしてテンバガーを達成するに至ったのか?今日はその秘密に迫りたいと思います!
工場全体の稼働・維持を一括サポート
さて、まずは気になる事業内容ですが、ジャパンマテリアルは半導体・液晶工場の稼働・維持管理を一括するサポートを行う企業です。
すごさがよくわかりませんね。ということで下の図を見てみましょう。ご覧のように半導体・液晶工場には水(超純水)や薬品やガスなどを供給する設備機器が存在します。
通常、これらの設備機器を運転管理するには専門の技術者のサポートが必要になります。外部に委託するとなると、ガスはガス専門の企業、薬品は薬品専門の企業、とそれぞれ個別に専門企業に依頼しなければならず大変ですよね。。
しかし、ジャパンマテリアルであれば工場における多様な設備機器をすべてワンストップで管理することができるのです!
このように工場の運転を総合的に管理することをTFM(トータルファシリティマネジメント)と呼び、世界ではスタンダードとなっているようです。
積み上げ型のビジネスモデル
さて、工場の運転管理を行うという点で何か気づくことはないでしょうか?運転管理は工場が稼働している限り行う必要がありますよね?
そう、ジャパンマテリアルは売上がストックされていく積上げ型のビジネスモデルなのです。運転管理を行う工場の数が増えれば増えるほど固定で入ってくるストック売上が増えていきます。
といっても、100%がストック性の売上ではなく、2020年度時点で60%程度です。残りの40%は何か?それは特殊ガス供給装置の製造と供給配管の設計施工です。
工場が新規に建設される際に導入する特殊ガス供給装置の製造、さらにはガスを供給する配管の設計施工を行い、まずはイニシャルで費用をもらい、その後は工場全体の管理業務をストックでもらっているのです。
右肩上がりの業績と高い営業利益率
さて、ジャパンマテリアルの気になる業績ですが、ご覧のように右肩上がりの成長を続けております。2011年には100億満たない売上がたった10年で300億を超えています。
。。。圧巻!!
特筆すべきはただ売上が上がっているだけではなく、利益率も高まっていることです。この理由として考えられるのはTFM業務の受注が増えたことにより、売上全体におけるストック割合が高まったからでしょう。
一方で2020年が前年比で売上が減少しているのは、ガス供給装置の製造と配管の設計施工の売上が減少したためです。ストック売上はこの時期もしっかりと伸びています。
まとめ
一般的に半導体分野の企業は景気に敏感な性質がありますが、ジャパンマテリアルは工場の管理を行うビジネスモデルであるという性質上、比較的景気に関わらず安定期な事業運営を行うことができます。
今後の成長にも期待したいです。